『推し、燃ゆ』読後感想

はじめに

どうも。Soraです。

 

お久しぶりですね。ゴールデンウィークはいかがお過ごしでしょうか?

私は特にやることもなく、怠惰に日々を過ごしておりました。

何かやるか、と重い腰を上げ、買ったはいいものの積んでいた『推し、燃ゆ』を今し方読み終えました。

 

いつ聞いたのかも覚えてないですが、話題になった時でしょうか。推しが炎上した女の子を扱った作品、という前情報だけを覚えて読みましたが、思ったよりヘビーな作品なんですね。読みながら驚いていました。

 

読み終わった直後で若干気持ちが重たいですが、その気持ちを消化するためにも、自分にこの本を落とし込むためにも、感想を書いていきたいと思います。

 

あらすじ

本作の主人公は(明記されていませんが)、恐らく発達障害(適応障害かも?)の女の子です。

普通の生活を送るための最低限はこなせるものの、覚えることが苦手で、何をするにもメモをしないといけない。でも、そのメモを見ることを忘れてしまうような子。

そんな女の子が、人生を捧げるくらいの推しに出会います。

人生の熱の大半を捧げた推しが炎上したことで、少しずつ、少しずつ、しかし確かに、日常が歪んでいってしまう。そんなお話です。

 

これは本編とは関係ないのですが、この本は可愛らしいピンクのジャケットを捲ると、主人公の推しのイメージカラーである青が一面に広がっています。

また、スピン(本についているしおりの紐)の色も青色です。

 

これは電子版では気付きにくい、デザインの工夫ですね。めっちゃ良いと思います。

 

感想

この本を読んで私の人生を思い返すと、遠い昔、推しがいたことを思い出しました。

Pixivでイラストを探しまわり、Twitterで推しの魅力について長文を語り、グッズは買えるだけ買う。典型的なオタクですね。

 

そんな私も歳をとり、誰にとっても当たり障りのないエンタメを好きになり、流行りのものに触れ、自分の意見を殺し、何にでも折り合いをつけて、常に誰かの目を気にしながら生きるようになりました。

もうあの頃の気持ちは何にも残っていないですし、何があんなに私を惹きつけていたのか。推しの魅力はなんだったのか。それすら曖昧になっています。

 

作中で主人公のあかりは

「推しは命に関わるからね」

なんて言っていました。

 

彼女の心情は、今の私には共感もできず、想像もできませんが、彼女の人生そのものには羨ましさを感じます。

これまでの私の人生は、彼女のように作品に落とし込まれることはなく、誰かの記憶にも大して残らず、たくさんの人の心を動かすようなものでもないですから。

 

他人の目を気にしないほどに熱中できるものに、いつかは出逢いたいものですね。