コロナ感染日記

1日目

7月2日 

引越しを終えてからの初めての休日である土曜日。起きると喉が少し痛かった。

1時間で切れるようにしてはいたもののエアコンをつけて寝ていたのが原因か。いや、しかしこんなクソ暑い夏にエアコンをつけずに寝ろというのも苦な話だろう。

母には「口開けて寝ていたんじゃないの」と言われた。確かに今までもそういうことはちょくちょくあったのできっとそうだろうと思った。

この日は整体の予約をしていたので少し面倒ではあったが東京駅まで出かけた。帯状疱疹と引越しで2週間行けてなかったので硬くなっているのではと心配していたが、担当してくれたお姉さんが上手で終わった時にはスッキリした。スタバでコーヒー飲んで帰ろうと思っていたが混んでいたのでやめた。代わりに母が絶賛していたダイエーに寄り、ジュースを買った。確かに広いし安かったので、これは便利だと思った。同時に、自腹で買わされることが増えそうだな、なんてことを考えた。

帰ると、妹から「1000円拾った」とLINEが来た。運がいいやつだ。しかし私はコロナ禍になってから、(いやそれ以前からだったような気もするが、)落ちているものを拾おうとはなかなか思えない。妹は私とは胆力が違うのだ。

私の部屋には今机がない。この日は代わりに段ボールに置いたモニターにps4の画面を写して友達とゲームをして寝た。

2日目

7月3日

起きるとまだ喉が痛かった。それに加えなんか体調がおかしかったので、熱を測ると微熱があった。……まあコロナ禍になってから体調悪くすることは初めてではないしな。そんなこともあるだろうと思い、あまり気にはしていなかった。近くの病院は日曜休みばかりだったので、明日病院へ行くことに決めた。

この日は友達とゲームをやっている時に寒気を感じたので、早めに切り上げてさっさと寝た。

3日目

7月4日 〜夕方

明らかに体調がおかしい。喉が痛い。熱がある。寒気もする。痰が絡むようになってきたし、血も混じっていた。

とりあえず病院が開いてる時間になったので行こうと思ったのだが、そういえばコロナ禍になってから病院の在り方が変わったと聞いた。少し調べてからに。

発熱がある人は電話してからでないと受け付けてくれないそうだ。面倒だがこういうご時世だものな。しょうがない。

…どこに電話をかければいいんだ?そういえば引っ越してから一週間も経ってないからかかりつけ医が居ないではないか。どうしようかと考えていると、"東京都発熱相談センター"なるものを見つけた。かかりつけ医が居なかったり、どうすればいいか分からない人向けの相談センターらしく、近くの病院も紹介してくれるらしい。便利だなぁ。

電話をすると、3軒の病院を紹介してもらうことができた。1軒目…今日はもう無理ですか、そうですか。2軒目…夕方以降になってしまうのか、とりあえず他も当たってみよう。

3軒目でようやく予約することができた。コロナ感染者が増えているというニュースは本当なんだなぁと実感した。

病院に着くと、入り口前で電話しろと言われていたことを思い出した。電話をかけると、「迎えに上がるので待っててください」と言われた。現れた看護師は全身防護服だった。

連れていかれたのは他の患者とは全然違い待合室の反対側にある廊下。部屋ですらなかった。小さい病院だったのでしょうがないのだろうが、少し寂しさを感じた。問診票を書き、看護師に渡すと、完全防護服の男性医師から抗原検査の説明を受けた。

どうやら抗原検査の方がコロナの陽性検出率は低いのだが、結果が出るのが早く、PCRの場合検出率は高いものの結果が出るのが遅い、ということらしい。なのでまずは抗原検査で陽性か陰性かを確認し、陰性だったら再度PCRで検査、という形をとっているそう。

説明を了承し、まず抗原検査を受けた。鼻に細い綿棒を刺された。ちょっと痛かった。結果は10分程度ですぐに出た。「Soraさん、陽性ですね」と。

いやまじか。 え?風邪じゃないんすか?いうても割と元気っすよ?

なんて思いながら陽性になった場合のアレコレを説明された。薬の処方で1時間待たされることになったが、周りの人間への報告をしていたら一瞬だった。書き忘れていたが、同時に溶連菌の検査も受けた。そっちは陰性だった。

帰ると母から様々な注意を受け、部屋に隔離された。

7月4日夜

この日の夜から様々な症状が出ることになる。

熱、頭痛、血痰、そして喉の痛み。喉が一番きつい。ご飯が全然食べれない。夜ご飯もお蕎麦をちょろっと食べて終わりにした。心なしか量も食べれなくなっている。

薬を飲んでそろそろ寝ようとした頃、吐き気がやってきた。これがマズかった。

…21時ごろ。吐いた。寝たいのに気持ち悪くて寝付けない。

…22時ごろ。寝ていたのに気持ち悪さで起きてしまった。吐いた。

…23時ごろ。吐いた。もう横にすらなれなくなった。気持ち悪い。眠れない。

…24時ごろ。いつの間にか眠っていたらしいが、また吐き気で目が覚めた。吐いた。スマホを見てもさっき吐いた時間から1時間しか経ってない。え、まじ?朝までこれ?

…25時ごろ。吐いた。

…26時ごろ。吐いた。

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4日目

7月5日

………

…16時ごろ。ようやく吐き気がなくなった。気づいたら夕方だった。

夜ご飯にゼリーを食べれた。

母がFastDoctorを呼んでくれて自宅で点滴も受けた。ちょっとだけ楽になった。二日ぶりに小便が出た。

5日目

7月6日 この日は体調がだいぶ良くなった。

熱も下がり、頭痛もなく、喉の痛みもなかった。

吐きまくったせいか声が出なかったことと、ちょっとしたことで息切れを起こすようになっていたことくらいだ。

母がずっと吐いたり寝込んでいた間に各所に電話してくれていたらしく、明日からホテル療養になるそうだ。

6日目

7月7日 ホテル療養が始まった。

デカタクシーに揺さぶられ、ホテルに着くと係員から色々と説明をされた。

お茶と野菜ジュースがいっぱい置いてあった。取っていいそうなので1本ずつもらった。

部屋に戻ると、事務員や看護師と電話でのやり取りが始まった。恐らくこのまま対面では1回も会わずにホテル療養を終えるのだろうな。

お昼の時間になり、お弁当を取りに行くと、どこからともなく現れた他の感染者たちが無言で列を成していた。 綺麗に整列された弁当を各自無言で取り、部屋に戻っていく。

なんだか刑務所みたいだ。

お茶と野菜ジュースは野菜ジュースは飯のたびに取っていいそうなので再度受け取った。しかし野菜ジュースは1日2本も要らなかったかな、と部屋に戻ってから思った。

7/7 昼 東海道新幹線弁当

味は微妙だった。これはコロナのせいか、弁当が悪いのかは分からなかった。

お昼ご飯を食べてからは夕ご飯までぼーっとテレビを見ながらこのブログを書いていた。

7/7 夕 カツ弁当

夕ご飯を食べる前はお腹が空いていたので余裕で食えるかなあと思っていたのだが、意外と食べるのがしんどくて1時間くらいもぐもぐしていた。

普段は夜ご飯長くても30分くらいで食べ終わるので、不思議な気分だった。

というか、こんなご飯を毎食食べていたら太ってしまうのではないだろうか。とはいえ捨てるのはもったいないよなぁ…悩ましいところだ。

食べ終わった後ぼーっとしていたら寝落ちしてしまった。

さっとシャワーを浴びて、ゆっくりお茶を飲みながらぼーっとテレビを見ていた。

ぼーっとしてばかりだ。きっと退所までこんな感じなのだろう。今日はもう寝る。おやすみなさい。

7日目

7月8日 ホテル療養2日目

フレンチトースト弁当

美味しかったけど朝から重たいよ…。

7月8日 朝 フレンチトースト

朝食後は実習に参加していない分遅れを取り戻そうと作業…思ったより進まなかった。かなしい。

昼飯は抜きました。野菜ジュースだけ飲みました。全然お腹空かなかった

7月8日 夕 幕の内弁当

夕食の幕の内弁当はこれまでで一番美味しかったです。結局普通の白米と鮭、味噌汁とかが一番うまい。夕食後は一眠りしてしまいました。金ロー見たかったから焦ったけど中止になったらしい。らっきー

今日は初めての手洗濯をしました。ホテルには洗濯機がないから手で洗濯するしかありません。たいへんでした。2時間くらいかかったし後半は適当になってしまった、昔の人はすごいなぁ

8日目

7月9日 もうすっかり元気だ。声も出るようになった。

今日は友達と喋った。それくらい。特に記憶がない。なにもしていない。

強いていうならコロナ感染者が爆増しているからか、飲み物が一食一本はもらえなくなった。朝行ってお茶とか水を取っていなければ、その日の飲み物配給はないのかもしれない。明日は昼も行ってみる。

7月9日 朝 なに弁当?

7月9日 夕 中華弁当

9日目

7月10日 今日はよく寝た。朝ごはんを食べた後もうとうとしてしまったし、昼ごはんを食べた後はお昼寝してしまった。

ホテル療養にも慣れてきて、1日が長く感じてきた。アニメや漫画を読んでいてもしょうがないので少しだけ学校の作業を行なった。ちょっとだけ進捗が生まれたが面倒なのでいまいちそこから進めるやる気が出ない。

やる気が出ないのはコロナの副作用とあるが、正直本人次第だと思う。仕事や勉強をやらない期間が続くのでやる気が出ないだけなんじゃないかな。息切れはしょうがないけど。

それと感染者が増えてきて飲み物が争奪戦になっていることもあるのだが、まず弁当を取りに行くのに時間がかかる。このホテルでは一定の時間になるとそこから1時間の間お弁当を受け取りに行くことができるのだが、この弁当受け取りに20〜30分ほどかかる。これがまーーーー面倒くさい。どうにかならないものかなあ。あとwifiがめちゃ遅い。

7月10日 朝 金目鯛弁当
めちゃくちゃ美味しかった。明治座の弁当は可もなく不可もなしって感じだけど、他のお弁当は当たり外れの幅がすごく大きいな、という感想を抱いだ。弁当マスターになってきたぞ。

7月10日 昼 中華チャーハン弁当

そういえば昨日言っていた飲み物の件だが、お昼はお茶とお水が少しだけ残っていた(100本ないくらい)なので、お茶を取った。このブログを書いているのは夜なのだが、既にお茶を2本とも飲み切ってしまったので、やはり飲み物は最低2本は欲しいなと思った。また、お昼にお茶を取るとき、水を5本持っていったおばちゃんを見かけた。こういう人がいるから一食一本分配給されてるはずの飲み物がなくなっていくのではないだろうか…

7月10日 夕 ハンバーグ弁当

そして夕飯を食べる前、ホテルから内線がかかってきた。明日で退院らしい。急に言われても…と思ったが飽きていたので嬉しかった。

10日目

朝ご飯を食べて、準備を整える。 飽き飽きしていた弁当もこれで終わりだと思うとなんだか感慨深かった。

7月11日 朝 なんか健康になりそうな弁当

ホテルから出る直前、色々あったが、全て自分のミスが原因で恥ずかしい思い出なのでここには書かない。

言えるのは、荷物忘れがないかどうかはしっかり確認しよう。ということだけだ。

ホテルの外に出た時、空気の美味しさにびっくりした。 東京は空気がなんだか重たい、なんて言われるが、ずっと閉塞的な空間に居たから何度も深呼吸をした。(ホテルでは窓の開閉すら不可だった)

特に外には誰も居なかった。人望がない。

自分で自分を労いながら、帰路に着く。

なんだか、貴重な経験ができたな、と思う。