スパニングツリー/STPとは
1.まえがき
どうもです、Sorasukeです。
テストが終わり、ようやく色々な事が落ち着いたと思えば新しくやる事が増えたりとなかなかに忙しい毎日を送っています。
先々週あたりで書こうと思ってたんですがなかなか書く時間が取れなかった内容がいくつかありますので、それらについてを今週は何個か上げようと思います。
今回はSTPことスパニングツリープロトコルです。
2.事前知識
スパニングツリーは、スイッチを使って経路冗長化する際に発生するループの発生を抑えるものです。
経路冗長化を行うと、一般にブロードキャストストームというものが発生します。
ネットワーク機器は通常、ブロードキャスト通信というものを一定期間ごとに自動で行っています。これは、ブロードキャストアドレスというアドレスを使用して同一LAN上の全てのノードにデータを送る通信です。
一般にブロードキャスト通信はARPやDHCP、ルーティングアップデートパケットの通信などで行われています。一度WireSharkを使ったことがある方は見たことがあるかもしれません。
ブロードキャスト通信は通常すべてのネットワーク機器がフレームを受信した時点で伝送が終了するのですが、冗長化したネットワークでネットワークが円環状になっていると延々ブロードキャスト通信を横に投げてしまうので、帯域を圧迫して通信のほとんどがブロードキャスト通信で圧迫され、他の通信ができなくなる、といったことが発生します。
はい、これをブロードキャストストーム、と呼びます。
これを予防するための機能がスパニングツリーです。
3.スパニングツリーとは
以下のように経路冗長化したネットワークがあるとします。
このネットワークの経路を、以下のように一部遮断します。
この遮断したポートをブロッキングポートと呼びます。
そうすることで、以下のようなツリー構成になります。
これにより、物理的には円環状に構成されたネットワークが論理的にはツリー構成となっているため、ブロキャスストームは発生しなくなります。
ちなみにですが、ここで上のルートに障害が起きた場合は自動で上のルートを遮断し、下側のルートを使って通信を行うように経路が切り替わります。
このようなツリー型の構成ではトップのネットワーク機器をルートブリッジなどと呼んだりします。
4.ルートブリッジの決め方
先ほど例を上げたネットワークではルートブリッジが分かりやすかったと思いますが、実際には複雑なネットワークが絡み合っており、想像するのが難しいと思います。
そこでどのようにルートブリッジが決められているかを知ることで、どのようなネットワークでもルートブリッジが分かるようになりましょう。
ルートブリッジは、ブリッジIDを使って計算されます。
計算には、プライオリティとMACアドレスの二つの数字が使用されます。
このブリッジIDが最も小さい値のスイッチがルートブリッジとして設定され、ツリー構造のトップになります。
このプライオリティは手動で設定することができます。
5.プライオリティの設定方法
STPの設定に必要なVLANやtrunkの設定については省略します。
最初からの設定が気になる、パケトレで実践してみたいという方は、以下のサイトを参考にするなどしてください。
peace3110.oops.jp
Switch>enable
Switch#conf t
Switch(config)#spanning-tree vlan 10 priority 8192
Switch(config)#end
↓設定の確認
Switch#show spanning-tree vlan 10
6.BPDU
ここは少し応用編というか、ちょっと難しいところです。
先ほど障害発生時に自動でうんぬんという話を書きました。
この処理はBPDUというフレームによって行われています。
このBPDUは色々な要素を使用しています。
全部書くと大変なので、いくつか抜粋して紹介します。
RootID
ルートブリッジのブリッジIDです。
8byteのデータサイズです。
ルートブリッジやブロッキングポートの判別に使用されます。
BridgeID
スイッチ自身のブリッジIDです。
同じく8byteのデータサイズです。
ルートブリッジやブロッキングポートの判別に使用されます。
Max Age
BPDUの最大保持時間です。
2byteのデータサイズです。
デフォルトの設定値である20sを超えてもBPDUが返ってこない場合は障害が発生したと認識されます。
その他
全体像は以下のサイトを参考にしてください。
www.infraexpert.com
6.おわりに
バイト先でSTPについての講師をやることがあったので、そのときに勉強した内容を折角なのでまとめてみました。
ご不明点などあればコメントいただければ返すかもしれません。
なかなか書けていませんでしたが、やっぱり書くと自分の中でスッとまとまる感覚がしていいですね、勉強会を開催したくなる…とまではいきませんがLT会などで人に話したくなる気持ちは少しわかったかもしれません。
それでは、また。
Ansibleに入門したので勉強したノートをまとめてみる
まえがき
APEXやってレポート書いてバイトしていたらいつの間にか2週間経ってました。
…初回で週1とか言ってたのにね
バイト先でAnsibleを使った勉強会の開催をすることになり、そこで使う資料を作り終えたので、そこから要所要所を抜粋しつつ自分の言葉で落とし込むためにまとめていこうと思います。
Ansibleとは
サーバーやネットワーク機器に対して、あらかじめ用意した設定ファイル(Playbookと呼ぶ)に従って自動で設定やインストールなどを行う構成管理ツール。
Ansibleや設定ファイルを用意する必要はありますが、一度用意してしまえば使いまわすこともできるので、多くのサーバーの設定を行いたいときなどに便利です。
余談
ちなみにこういった手動ではなく自動で構成管理を行うような行為をInfrastructure as Codeというそうです。最近流行ってるらしいですね、あんまり聞いたことないですが業界によるんでしょうか?
IaCについては以下が分かりやすかったです。
IaC(Infrastructure as Code)とは
Ansibleのインストール
AnsibleはPythonを使ったツールです。
dnfでもインストールできるらしいですが、自分はできなかったのでpip3でインストールしました。
インストール手順
$dnf install python3
$python3 -V
Python 3.6.8
$pip3 install ansible
$ansible --version
Playbookとは
Playbookは、ターゲットノードに対する設計書手順のことをいいます。
AnsibleではこのPlaybookをYAMLという書式で記述することになっているのですが、このYAMLの書き方が特殊でちょっとめんどくさいです。
YAMLとは
YAMLが特徴的なのはインデントです。
このインデントをスペース空白2つ分で表します。
注意なのが、
・記述にタブを使うことができないこと
・インデントが間違ってるとエラーを吐くこと
ここが書くときにスペース連打する必要があって面倒です。
実際に使ってみる
Playbookを書いてみる
※␣が全角になっちゃうのでレイアウトぐちゃぐちゃですが半角スペースです
$vi ansible-test.yml
-␣name: Ansible-test
␣␣hosts: localhost
␣␣vars:
␣␣␣␣ansible_become: yes
␣␣␣␣ansible_become_method: sudo
␣␣tasks:
␣␣name: change hostname
␣␣-␣hostname:
␣␣␣␣␣␣name: Ansible-user
文法チェック
Ansibleには文法チェック機能が付いています。
サーバーの変更はシステムに大きな変更を与えることがあるので、実行前に間違った書き方がないかどうかを確認しておきましょう。
$ansible-playbook -i hosts ansible-test.yml --syntax-check
playbook: ansible-test.yml
↑問題がなければ上記のように何も出てこない
テスト実行
実際にどういった挙動が起きるのかを確認することができます。
ここでは実際の実行結果が出力されますが、ターゲットノードには反映されてないので注意です。
PLAY RECAPを見て、すべてokになっていることを確認しましょう。
[admin@tsuna ansible]$ ansible-playbook ansible-test.yml --ask-pass
SSH password:(パスワードを入力)
PLAY [Ansible-test] ************************************************************TASK [Gathering Facts] *********************************************************
ok: [localhost]TASK [change hostname] *********************************************************
changed: [localhost]PLAY RECAP *********************************************************************
localhost : ok=2 changed=1 unreachable=0 failed=0 skipped=0 rescued=0 ignored=0
本番実行
ここまでクリアしていれば、あとは実行するだけです。
[admin@tsuna ansible]$ansible-playbook hosts ansible-test.yml --ask-pass
(checkと一緒なので省略)
確認
ホストネームが変わっていることを確認します。
$hostname
Ansible-user
自分ではなく対象サーバーに実行する
今回の環境
- ホスト:192.168.100.3
- ゲスト:192.168.56.1
Playbook
[root@tsuna ansible]# vi ansible-test2.yml
-␣name: install something
␣␣hosts: server
␣␣vars:
␣␣␣␣ansible_become: yes
␣␣␣␣ansible_become_method: sudo
␣␣tasks:
␣␣-␣name: Install Vsftpd
␣␣␣␣yum:
␣␣␣␣␣␣name: vsftpd
␣␣␣␣␣␣state: latest
␣␣-␣name: Install Ftp
␣␣␣␣yum:
␣␣␣␣␣␣name: ftp
␣␣␣␣␣␣state: latest
␣␣-␣name: Install Chrony
␣␣␣␣yum:
␣␣␣␣␣␣name: chrony
␣␣␣␣␣␣state: latest
␣␣-␣name: Install Httpd
␣␣␣␣yum:
␣␣␣␣␣␣name: httpd
␣␣␣␣␣␣state: latest
␣␣-␣name: Install Php
␣␣␣␣yum:
␣␣␣␣␣␣name: php
␣␣␣␣␣␣state: latest
␣␣-␣name: Install mariadb-server
␣␣␣␣yum:
␣␣␣␣␣␣name: mariadb-server
␣␣␣␣␣␣state: latest
␣␣-␣name: Install Php-mysqlnd ␣␣␣␣yum:
␣␣␣␣␣␣name: php-mysqlnd
␣␣␣␣␣␣state: latest
インベントリ
インベントリとは
Playbookをどのホストノードに対して実行するのかを記述したファイルのことです。
IPアドレスやユーザネーム、パスワードなどを記述します。
自分に対してのときは書かない方がすっきりするので書きませんでしたが、ターゲットノードが存在するときにはごちゃつくので書くことをおすすめします。
インベントリ
[root@tsuna ansible]# vi hosts
[server]
192.168.56.1 ansible-user=root
ちなみに
AnsibleはSSHでターゲットノードの設定を行うのですが、一般的にはパスワード認証ではなく公開鍵認証を使います。
チェック、実行
$ansible-playbook -i hosts ansible-test2.yml --private-key="~/.ssh/id_rsa"
1人用とやってることは同じなので省略します。
公開鍵認証を行う場合にはprivate-keyオプションをつけて秘密鍵のパスを指定してください。
できましたでしょうか?
エラーが起きた場合は以下のサイトなどを参考にしてください。AnsibleはCentOSやその人の環境次第で色々なエラーが起きます。
もともと「空のサーバーに対する環境構築ソフト」、という前提で開発されたものなのかもしれませんね。
おわり
以上です
久々にMarkdown書きましたがやっぱりちょっと書きづらいですね
公開鍵認証については今回省きましたが、理解しているとAnsibleについても理解しやすくなると思います
ちょっとサボってたぶん長めに書きました、ちなみにテスト実行はしてないので間違ってることもあるかもしれません(コメントで訂正くれたら直します )
Ansibleを募集要項に書いてある会社もそこそこあったので、慣れておくと多少有利に働くこともあるかもしれないですね
自分はインターン2社落ちてるのでなんともいえないですが…
では、今回はここで。
2021/05/20追記
なんかもやっとしてたので確認したらエラーが凄かったです、すみません。訂正して色々修正、追記しました。
何を言いたいのかがぐちゃってたので、自分に対してと外に対してで分けることにしました、少しでもわかりやすくなってたら嬉しいです。
参考
ansibleでLinuxユーザーの作成と鍵認証を設定する - Qiita
Amazon.co.jp: Ansible構築・運用ガイドブック インフラ自動化のための現場のノウハウ (Compass Books) eBook: 八木澤 健人: Kindleストア
Cisco AnyConnect Secure Mobility ClientでVPNが張れない
今日あった備忘録です。
AnyConnectでVPNを張る際、他のユーザがログインしているとVPNを張れない(以下のエラーが発生する)のですが、その解決に30分くらいかかったので解決法を置いておきます。
【エラーメッセージ】
AnyConnect profile settings mandate a single local user, but multiple local users are currently logged
into your computer. A VPN connection will be not be established
【解決方法】
ほかのWindowsユーザをログアウトさせる
【感想】
ユーザがどーのこーのって書いてあるの、正直なんのユーザかよくわからなかったんですが、Windowsユーザのことでした。紛らわしい
とはいっても、"into your computer"って言ってるんだからそりゃそうだって感じもしますけどね、エラー起きてるときって視野狭くなりがちだったり良く分からないこと考えがちなので気付けなくてもしょうがないです。
今日はいつかやる気がしていたルータとスイッチを落としたりもして集中力がなかった気がする、気をつけよう
シフト暗号の総当たり
まえがき
どうもです。お久しぶりです。
インターンや就職に提出するための技術的な話をする場が欲しいと思い、今日から定期的になんかしら書いていこうと思います。(ついでにMarkdownも慣れたい)
初回はシーザー及びシフト暗号です。(配属された研究室が暗号系だったので)
シーザー暗号
アルファベットで表記されたある文字列(以降平文)を3文字ずらすことで暗号化する。
例)
平文:abcdefg
暗号:DEFGHI
有名な奴です。ゲームやアニメなんかでも使われることがありますね。
実装も簡単ですが、有名なだけに突破もされやすいです。
シフト暗号
シーザー暗号の改良版。ずらす値を固定するのではなく、任意の数とする方法。
例)
平文:abcdefg
暗号:BCDEFGH
実装
総当たりでの復号の実装です。
#include <iostream> #include <bits/stdc++.h> #include <string> using namespace std; int main(void){ string s; cout << "入力文字列:"; cin >> s; cout << "復号文字列:" << endl; for(int i=0;i<26;i++){ for(int j=0;j<s.size();j++){ cout << char('a'+(s.at(j)-'A'+i)%26); } cout << endl; } }
実行結果
解説
任意の文字列sについて、i文字ずつずらして表示するプログラムです。
アルファベットが26文字なのでそれを26回for文で回して総当たりします。
多分一番わかりづらいであろう以下の1行についてだけ解説します。
cout << char('a'+(s.at(j) - 'A' + i)%26);
s.at(j) - 'A' + i
暗号化された文字列のj文字目[s.at(j)]が「A」から何文字ずれているかを計算し、ずらす分の数字iを加算します。
'a'+(s.at(j) - 'A' + i)%26
加算した対象文字を26で割り、その余り分を'a'に加算することで、i文字分ずらして表示しています。
文字コードがわからん、って人はAtCoder あたりを見てください。
今回の場合、意味を成した文字列になっているのは「helloworld」、よって暗号化に使われた鍵は、ずれた文字数である「4」ですね。
あとがき
今回書くにあたって参考にした本:暗号技術のすべて
平文を小文字、暗号を大文字で書くとかって決まりがあるの、初めて知りました。そういやLinuxでauthorized_keysみたとき全部大文字だったなーなんてことを思い返しながら読んでました。
あとMarkdown、ちゃんと書くのは初めてだったんですが、正直よくわからんまま書き終えました。
まあこれから慣れていくでしょう。週に1本出せたらいいかなって感じのペースで更新していこうと思います。
iPhoneの色々な設定の話
先日、寝れなかったのでiPhoneの標準アプリ、設定を端から端までいろいろ見て、調べてみるってことをやっていました
そこでいくつか気になった設定があるのでご紹介します
1.睡眠モード
就寝時間を設定したり起床時間を設定することで自動でアラームをかけたり、おやすみモードを設定してくれたり、画像のようにロック画面が簡素になったりします
ふとした時に(そろそろ寝なきゃ)とは思うのでいいかもしれない
2.サウンド認識
特定の音をiPhoneが拾った時、通知してくれるものです
音には炎の音(火事防止)、水が流れてる音(流しっぱなし防止)、クラクション(事故防止)など、10何種類かあって面白かったです。
実際に水道で試してみたところあまり検知精度は良くなさそうな感じでした
デフォルトはオフになってます
3.背面タップ
なんかTwitterでもバズっていましたが、背面をダブルタップ、又はトリプルタップすることでスクリーンショットやアプリを開くなどといったショートカットが行える機能です
私は割と厚めの手帳型ケースを使っているのですが、それでもしっかりと反応してくれました。すごい。
ただ私は音楽聴いてる時無意味に背面をタップしてリズムを取ったりすることがあるのでそういう人には向いてないかもしれませんね
(実際今は設定きってます)
4.トラッキング
これ、Twitterで話題になりそうなもんですけどね。
アプリがユーザーがどんなアプリを使っているか、どんなWebサイトを見ているかのデータを求めてきたときにそのデータを渡すことで広告のカスタマイズとかが行われるものです。
アプリや検索エンジン内で広告のカスタムをオフにすると多分この機能を切っているのかな?
これを切ってからアダルト気味な広告や変なゲームの広告が目に見えて減りました(多分)
洋服とか保険なんかが若干増えました
ただし他社よりお金をかけているようなゲームアプリの広告などは結局多く表示されたままです
アダルトな広告は釣ろうとしてるおっさんの姿が目に浮かんで不快だから表示しないで欲しいんですけどね
仕方ない
とまあこんな感じで暇を潰していました
結局睡眠モードつけても寝れないのでこんなしょうもないことをつらつらと書いてしまっているんですけどね
ではまた
夢の話
どうも、今回は夢の話です
もう二度見ているので何かあるのかなぁなんて思ってとりあえず形に残しておこうと思います
以下夢
修学旅行、私たちはバスでどこかわからない施設に連れていかれる。
そこで教員が居ないので探していると、放送で『今から出される料理を全て食え。』とだけ言われる。一人一食分、大したことのない量だ。
しかし大したことない量の料理、それが何度も、何度も出てくる。合計で7回。
絶望しているとまた放送で教員の声がする
『食わなきゃ全員連帯で退学』
女子や少食の男子はもちろん食べきれない。そうじゃない人たちでも苦しんでいた。そんな中、一人が食い終わると、追加で課題が与えられる。『絵を描け。』と言われ、何種類かのテーマだけ与えられる。無茶苦茶だ。
なんとかみんなで協力して食事を平らげたところで、周りを見渡すと何人かが居なくなっていた。見るとドアがあり、その先にいくとリタイアができるようだ。しかしギブアップするとバスには乗れない。周りのみんなに迷惑をかけたくない、こんなに食べれない、死んでしまう、そんな気持ちに負けた人が諦めてどこだか分からないこの場所で死ぬことを決意した事を悟る。
(ここで色々あったような気がするが、夢なので忘れた、割愛)
時刻は夜になり、日を跨ぎ、朝になった。
やがて全ての課題を終えて8名程度の学生だけが息も絶え絶えになりながら残っていた。
そこで終了の放送が流れ、私たちは『講評』を受けた。
『見る価値もない』『終わらせた気概は認めるが終わらせるために早く描きすぎだ』
など様々な罵倒の声を聞きながら、ただ一人、終わる直前でリタイアした生徒の絵が
『素晴らしい』と言われた。『これを描いた者はどこに行った?』と聞かれたりしたが、私たちは何も言わなかった。
帰りのバスに乗ると、来る時は「楽しみだね」「何するんだろうね」などといった会話をしていたのに、人数は半分になり、みんな暗い顔をしている。
何かを教員がずっと話しかけていたが、何も聞くことができなかった。
そこで今回も、前回も夢が醒めた。
夢、終わり
深層心理を写しているのか。
俺としてはかなり好みなストーリーなので、そういったものを無意識に構築しているのか。
何かを暗示しているのか。
意味なんてないんでしょうが、少し深読みして夢を楽しんだという私が夢を見たというだけのつまらない話でした。
22時半なんて中途半端に起きてしまった。
眠るにも眠れなさそうだし、これからどうしよう。
【読書感想文】哲学な日々
みなさんどうも、つなまよ(Sorasuke)です。
読んだ本の内容を忘れないように備忘録として残したい。
今回ご紹介する本は
哲学な日々 考えさせない時代に抗して 著 野矢茂樹
です。
追記:この記事は4000字弱の長文になっています。最後まで読む気の方はお時間を用意してお読みください。
はじめに
近頃私は哲学に興味を持っているので、哲学入門として本書を選びました。
内容自体を軽く説明すると
初めの第1部では「西日本新聞」に掲載されていたコラムを50節書かれている。
次の第2部では哲学の事、哲学ではない事が短い文章で語られている。
まえがきにある通り、この本では野矢さんが読者が気楽に読めるエッセイとして書かれているため哲学についてがメインで書かれたエッセイではあるものの語り口が軽いことが特徴で、読みながら少し笑ってしまうような場面も多く入門としては凄く読みやすい本となっていると思う。
哲学者でもある私が、普段着で――ときどき素っ裸で――本音を語りたい。
この言葉で力を抜いて終始読むことが出来ました。何気ない言葉ではありますが、肩の力を入れて読むような文章は私は少し苦手なので嬉しかったです。
第1部
私が読んでいる中で特に好きだったいくつか(これを書いているときにはいくつ書くか未定)について、語りたいと思います。高3にしては気持ち悪いかもしれませんが、自分のブログ、というか備忘録くらい好きに書かせてください。
8.案外ダメな授業
これは野矢さんが授業中に自分の講義ノートに自分で納得できないところがあることに気づき、しどろもどろに授業をしてしまったというエピソードである。
しかしそのしどろもどろな授業が生徒には、疑問から手探りで行う思考のプロセスを見ることが出来たため分かりやすいといわれた。と続く。
私たち学生からすると先生はまるで”全知”の存在かのように感じることが多い。質問すれば返ってくるし、授業は教員が理解している範囲で行うのだから当然である。しかしこのコラムを読んで教員も色々考えて授業をしているのかなーと改めて思わされた。
このコラムの最後には次のような文章がある。
「いや、動くのは学生であって、教師ではない。」
この文を呼んだとき、数人の先生の顔が思い浮かんだ。恐らくこの文章を読んでくれている方にも思い浮かぶ先生の顔はいるのではないかと思う。
- 自分のやりたい授業を唯我独尊状態でやる先生。
- 嫌われてはいるが生徒と対話しようとする先生。
- (きっとこの授業はどのクラスでも同じようにやっているんだろうな。)と学生に思わせてしまうような流れ作業のような授業をやってしまう先生。
- などなど…
本書に唯我独尊状態で授業するような教員は自分だけ気持ちよさそうにカラオケを歌って悦に入っているおじさんと違いはない。と書かれていました。
なかなかきついこといいますよねw ただ、私も同じように思っています。
世の中に何人の教員が居るのかは知らないが、きっと何万人もいるのでしょう。そりゃ数%は変な人間も出てくるし、教員というのは色々な世代の人間が入り混じっていて、各自のやり方に任されている節がある。世の中は刻々と変化しているのだから、生徒とうまくそりが合わないことがあるのも当然ではあるが、学生としてはやはり時代に合わせてほしいという気持ちはある。
コロナ禍でそういった遅れが明確に表れてきて、先生や学校への信頼度が大きく変化した方も多いのではないか。私もその一人だ。
生徒だって頑張っている。合わせようとしている。理解しようとしている。
でも色々な先生がいて、色々な授業のやり方があって、色々な考え方があって、私たちだって大変なんだ。
私たちはいま多感な18歳だ。少年とも青年ともいえるようなこの微妙な年ごろの生徒に対して、”どうせ頑張らないから”と私たちの頑張りをみようともせずに否定するような授業をするのはやめてほしいな、と思う。
もちろん先生方だって忙しいのだろうが、そういった態度は私たちに伝わってきていることに気が付いてほしいし、反省してほしいなと思う部分ではある。
先生、私たちは頑張ってます。成果は出せないかもしれないけれど、間違うこともいっぱいあるかもしれないけれど、その頑張りだけは、認めてくれませんか。たった一言、何か言ってはもらえないのでしょうか。…それはそんなにも、むずかしいことですか?
長々と書いてしまった。ごめんなさい。
42.遊び友達
私は、友達と言える人間が少ない。友達って自分が言っていても、相手がそう思っているのかは分からない。だから私はあまり人に自分から話しかけることもないし、何かを誘うことも少ない。
(最近はコミュ力を鍛えるために頑張っているが。それがうざいと思っている方も多いかもしれない。すいません。ただ、きっとそう思っている人はこの文章は読んでいないだろうから謝ったところであまり意味はないだろう。)
私は何回か人生を本気で終わらせようか悩んだことがある。
実は病み体質なんです、私。
しかし私が今ここで死んだとき、彼ら(友達の事)はどう思うだろう。他殺ならまだしも、自殺だった時、きっといい思いはしないだろうな、と思う。そこで一歩、踏みとどまったということが何度かある。
私は彼らと何か共通の目的があって友達でいるわけではない。なんとなく集まり、なんとなくゲームをしたり、共に帰ったりする。
もしこの関係に何か共通の目的があった時、その目的が何らかでクリアされたとき、きっとその関係はそれまでと微妙に異なるものになるだろう。それはきっと友達でも、中でもない、何かだ。
そんな関係の人たちでは、きっと人生の終わりに顔がよぎることはないだろう。
だから、友達というのは、大事だと思う。
この人生を、何の価値もないこの人生を、もう少しだけ生きるために。
「人生でいちばんだいじなものは何ですか?」
私は無防備にこう答えた。
「——遊び友達、かなぁ。」
思ったより長くなってしまったので、 第1部はここで終わりますが、他にもたくさんいい言葉やふふっと笑えるようなコラムがあるのでぜひ読んでみてください。
第2部も手短にしたいです。
第2部
ここでもいくつか(例によっていくつ書くかは決めていませんが。)紹介したいと思います。
バラは暗闇でも赤いか?
近頃、何かと「正しいこと」を求めるような風潮がある。
高専では先生方によく「論理」を求められるが、そうではない。Twitterなどでよく見られる「それは違うと思います。」といったリプライだ。
私はアレが凄く嫌いだ。なんだかわからないが、鳥肌が立つ。
正しいことは、確かに大事だ。でも、間違っていることだって、大事だと思う。
時には失敗し、そこから自分で学ぶその泥臭さこそが大切なのではないだろうか。
少なくとも私はそう思うが、あんなにも他方から指摘されてしまうと、間違っているときに自分で気づけない人間になってしまう。
「正しいことを教える事」で「正しい人間」にしようと世の中の方々はあのようにリプライを送っているのだろうが、それが一人の人間としての個性を、泥臭さを消してしまい無機質人間にしてしまっている。
それは、とても残酷だとは思いませんか。
でも、きっとこの言葉は、彼らには届かない。
彼らには自分の声しか聞こえていない。
彼らは誰かの声に耳を傾けることが出来ない。
―――無機質人間の完成形が彼らなのだ。
無意味ではあるけれど 中島義道『人生に生きる価値はない』解説
ここでは私の粗雑な言葉や体験を語ることはしない。
ただ一節だけ、野矢さんの言葉を引用して、一言一文だけ述べて終わろうと思う。
先にも述べたように、世界は私の思惑を超えた新たなものを私にもたらす。私は、世界とはたえず新鮮な水が湧き出ている泉なのだと考えたい。その水をすべて飲み干してしまったという思い、人生の全貌を見切ってしまったという思いは、なるほど死の不安を消してくれるかもしれないが、それは同時に生の力をも失わせるだろう。
歳を取るごとに昔好きだったものがつまらないと感じるようになるが、つまらないのはそのものではなくつまらなくなった私なのだろう。それは私たちが「大人になった」という一言で片づけられるものはあるが、そこにどんな変化が起きたのか、その変化が何で起きたのか、誰のおかげで起きたのか、それを考えることで、失うだけではなくそれは面白さではない何かを得て、そうやって大人になっていくのだと、私は思う。
さいごに
この本は弊校の図書館にあります。
夏休みの間は私が借りているので借りることは出来ませんが、近隣の図書館か、もしくは夏休みが終わった後(情勢がどうなっているかわかりませんが)にぜひ読んでみてください。
哲学に興味がない人にも、ぜひ。
自分や生き方に悩んだことない人、人を平気で貶すことが出来るような方々には読んでも意味はないと思いますが。
そうではない方々には何か得るものが必ずあると思います。
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私は夏休みのどこかで野矢さんのおすすめされていた、二子玉川の玉川大師、もしくは大船の定泉寺に行ってみたいと思います。楽しみです。
約4000字になってしまいましたがここまで読んでくださった方はありがとうございました。こんだけ書くと誤字の確認も面倒になってしまいますね。きっとないでしょう。
…あるんだろうな。まあいいか。
もう一冊、借りているのでそちらも読み終わったら長々と駄文を書くと思います。
そちらも良かったらぜひ、見に来てください。ではまた。